トルコのススメ【2024年最新情報】

どうもこんにちは。

今回は年末年始、トルコに行ってきたのでレポートを残します。

これから渡航を考えている人、そしてトルコに興味がある人に向けて色々情報を提供できれば幸いです。

書いていてかなり長くなってしまいましたがご了承ください。

それでは行きましょう。

簡単な基本情報(2024年5月現在)

正式名称:トルコ共和国

公用語:トルコ語

首都:アンカラ(人口:約560万人)

最大都市:イスタンブール(人口1,540万人)

人口:8,400万人

通貨:トルコリラ(TL)、1TL≒4.8円

宗教:イスラム教-スンニ派(国民の90%以上がイスラム教徒)

日本との時差:-6時間

治安

トルコはアジアの西の果て、いわゆる中東に位置する国。

「中東」と聞くと内戦だとか民族対立だとかで、なんだかきな臭いイメージを持たれる方も多いでしょう。実際今もイスラエル・パレスチナとの間で紛争が起きていたり、隣国シリアでは内戦が10年続いていたりと、そのイメージは大方間違っていないのですが、「トルコはどうなの?」という方にお伝えします。

外務省の安全情報より

海外旅行に行かれる方にはきっとお馴染み、外務省の海外安全ホームページ。黄色(レベル1)は十分注意、レベル(危険度)が上がると色も濃くなり、(レベル4)は退避勧告を意味します。

トルコの玄関口かつ最大都市、イスタンブールが黄色になっているのは、過去にテロが起きていたり、詐欺やスリに注意といった注意喚起なので、正直あまり気にすることはないです。だって、テロなんていつどこでも起こりうるものですし(日本だって例外ではない)、気を付けようがありません。

危険度が高いのは南東部にかけての国境地帯。レベル4になっているのは勿論内戦が続くシリアとの国境地帯ですが、その他にもレベル2, 3の県がちらほら見られます。これは、この辺りを根城にするクルド系過激派組織の危険に晒されていることから、このような色付けになっているよう。

まあ、これもトルコの主要観光地は西半分に集中しているので、普通に行って観光する分にはあまり気にすることはないです

実際に旅行してみての感想

とまあ、形式上一応外務省の情報に基づく客観的な情報をお伝えしたのですが、ここからは実際はどうだったのかという話です。

結論から言いますと、自分は治安の良い国だと思います(もちろん、スリなどの軽犯罪に対する最低限の対策はした上で)。

イスタンブールでは詐欺師に話しかけられたりしましたが、ガイドブックを読んでおけばすぐわかる手口なので分かれば無視しておけばいいですし、海外でたまにある人種差別も受けませんでした(まあ、国土の一部はヨーロッパに跨っているとはいえ、トルコ人も同じアジア人だし…)。

そして、飛行機の遅延で0時過ぎに市街地に放り出されたりと、深夜まで出歩く機会が何回かあったのですが、こちらも特に危険な目に遭うことはなかったです。

また、旅行中は結構な頻度で話しかけられましたが、上記の詐欺師を除けば純粋で親切な人たちばかりだったので、海外行ってみたいけど治安が心配…って方にもお勧めできる旅行先だと思います。

野犬について

海外旅行では、現地の悪意ある人間に気を付けなければなりません。そしてもう一つ、トルコ国内では注意すべきことがあります。

それは野犬。猫の国とも言われ、野良猫と市民が共存するトルコ。その一方で犬(野犬)もかなりの高頻度で見かけます。

イスタンブール大学前で見かけた2匹の野犬。基本的に街中で見かける野犬はデカい。

野犬の何が問題か?それは、トルコは狂犬病清浄地域ではないということ。狂犬病は発症したら最後、ほぼ100%死に至る病。現代でもその治療法は確立されておらず、ワクチン接種での事前予防、若しくは感染後に打つ暴露後接種ワクチンでしか防げません。

当然、トルコ当局も無対策という訳ではなく、ワクチン接種を積極的に進め、接種が完了した犬にはタグを付け、管理するといった対策を取っています。

イスタンブール旧市街・シルケジ駅前にて。ワクチンを接種している犬はこのように耳にタグが付いている。

しかし、トルコは他国と地続きの領土を持つ国。トルコ国内で清浄したとて、他国からの流入は止められません。実際、狂犬病の撲滅に成功した狂犬病清浄国は日本を始め、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド…等の他国と地続きでない、いわゆる島国だけ

という訳で、トルコに行かれる際は野犬に十分ご注意を。

物価

旅をする上で気になるのはやはり物価

トルコの物価ですが、旅行してきた肌感覚では日本よりは安いです。しかし観光地や場所によっては日本に匹敵、若しくはそれ以上となるところもあるので、これから項目に分けて詳しく見ていきます。

トルコの通貨

物価を見ていく前に通貨の紹介。

トルコの通貨はトルコリラ。表記はTL(テーレー)、日本語の「も」によく似た”“という表記も用いられます。補助通貨はクルシュと言いますが、正直あまり使わないので覚えなくていいです。

トルコリラ札。建国の英雄ムスタファ・ケマル・アタテュルクが描かれている(後述)。

トルコ国内ではインフレが進んでおり、レートは1TL=約5円(2024年1月25日現在、1TL=4.86円)。TL表記の価格に5を掛け、気持ち少なめに見積もればそれが日本円での価格になります

ちなみに、5年前は1TL=約21円弱だったので、いかにインフレが進んでいるのかが良く分かります。

下がり続けるトルコリラ円チャート(2024.01.25)。

なお、現在出版されている海外旅行ガイドブックのベストセラー、「地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地」は最新版が2019年版なので、中に書いてある物価の情報は全く役に立ちません(ガイドブックとしては優秀だと思います)。

交通費

観光には欠かせない交通手段。ここでは最初に皆さん訪れることになるであろう、イスタンブールでかかる交通費用を主に紹介します。

その前に、イスタンブールで使える交通系ICを紹介。

これはイスタンブール市内で使えるイスタンブールカード。駅に設置されている券売機(なんと謎に日本語対応)で70TL(350円)で買えます。

裏面にあるQRコードを改札機にかざすことで通行できます。これ1枚で地下鉄、トラム、バスに乗れるので、観光には必須です。

地下鉄・トラム・バス(市街)

地下鉄、トラム及びバスの運賃は一乗車15TL(75円)。比較として、大阪メトロは初乗り190円なので、これは非常に安いと言えます

・・・が、イスタンブールの地下鉄は路線を乗り換える度にいちいち改札を出させられる(他路線とは改札外とでしか接続していない)ので、その都度15TLを支払うことになります。

例として、イスタンブール空港から中心街に向かうにはメトロで3路線を経由するので49TL(245円)かかります(イスタンブール空港に接続しているメトロM11号線のみ一乗車19TL)。この仕様何とかならないのか…

タクシー

一応向こうで2回タクシーを使ったのでこちらも紹介。

1回目は新市街のタクシム(Taksim)からイスタンブール空港まで。この時は宿のオーナーが呼んでくれました。空港と市街地は遠く、この両区間は40㎞離れていますが、運賃は600TL(3,000円)と、意外と安かったです。ただし、クレジットカードで支払うと手数料で料金が10%上乗せされます。

2回目はカッパドキアの街、ギョレメ(Göreme)の市街中心部にあるバスターミナルからキノコ岩で有名なパシャバーまで

この区間は6㎞程ですが、165TL(800円)と高めで、観光地価格といったところ。ちなみに帰りはタクシーを市街地から呼びつけたからか、何故かメーターが100TLからスタートしていたのでヒリつきました(メーターをリセットしろ!と言ってもしないので、そういう仕様なのかと諦め。たかだか500円だし…)。

カッパドキアで乗った2台がたまたまクレカ非対応だったのかは分かりませんが、現金のみの対応なので注意。

タクシーに乗る前には必ず値段の確認をしましょう

飛行機

トルコのフラッグキャリアはターキッシュエアラインズ。それ以外にもターキッシュ傘下のアナドルジェットという格安LCCも運行しています。

自分はイスタンブール→イズミル、イズミル→アンカラでそれぞれターキッシュとアナドルジェットを利用し、どちらも1,600TL(8,000円)でした。旅程を悩みに悩んだ挙句、イズミル→アンカラ便はかなりギリギリに取ったので、正直あまり参考にならないかもしれません。

国内の飛行機移動ルート。

バス(長距離)

なんだかんだ最近高速鉄道YHTの建設が進んできているトルコですが、まだまだ交通網が発達しきっていないトルコ国内の長距離移動はバスが鉄板。

とは言っても自分はアンカラ・ギョレメの往復でしか使っていないのですが、この区間は片道450TL(2,250円)でした。両都市間は300㎞(東京‐名古屋間よりやや短め)離れているので、大して日本と変わらないかな。首都と観光地を結ぶ路線だったからかもしれませんが。

宿泊費

どこに泊まるのかにもよりますが、部屋にこだわりなく、ビジネスホテルみたいな部屋で満足って人は日本よりは安く泊まれると思います。

ホテルの予約に関してですが、トルコ国内の回線ではBooking.comにアクセスできません(一応、日本から予約はできる)。

そのため、現地で予約情報や変更ができないということを考慮すると、他の予約アプリを使うのが無難かもしれません。

ホテルの予算の話に戻ります。

これはイズミル市内のホテル。中心市街地からは1㎞あるものの、トルコ国鉄のバスマーネ(Basmane)駅からは徒歩5分ほどの好立地で3,500円

続いて最終日に泊まったイスタンブールのホテル。アヤソフィアやブルーモスクのある公園には近かったのですが、トラムの駅から徒歩10分ほどかかる上、坂のアップダウンが激しい道を行き来。こちらは3,400円

いずれも素泊まりですが、部屋のランクにしてはかなり安いのではと個人的には思います。他のヨーロッパ先進国でこの値段だったらドミトリーにも泊まれないですよ。

また、こちらはカッパドキアの洞窟ホテル。オフシーズンということもあってか、朝食付き(バイキング形式)で1泊7,000円でした。

世界遺産ど真ん中の街かつ、奇岩をくり抜いた面白ホテルに泊まれてこの価格なら大満足です。

奇岩群を眺めながらの朝食。良過ぎる。

当然、ドミトリーに泊まればより節約できます。自分はまだ挑戦する気になれませんが…

外食費

旅では食費もバカになりません。ちなみに自分は旅行中インフルにかかったので食欲が減退し、食費を節約することができました。

・・・なので、あまり飲食をしていないため、ほぼ参考にならないとは思いますが一応紹介。

こちらは新市街・タクシムの通りにあるカフェ。トルココーヒーが60TL(300円)、バクラヴァ(スイーツ)が120TL(600円)

続いてガラタ塔近くのケバブ屋。日本でもお馴染みドネルケバブは1つ150TL(750円)、トーストは1つ50TL(250円)、オレンジジュース(生で絞ってくれる)のXLサイズが60TL(300円)

エフェス遺跡近郊の街、セルチュクのレストランで食べたチョップ・シシと食べ放題のパン(奥)。180TL(900円)

お気づきでしょうか。

飲食店はちゃんと日本と同じぐらいの値段します。まあ、近年では円安がバカほど進んでいるので、日本より高くないことに喜ぶべきでしょう。

また、ロカンタ(Lokanta)という大衆食堂があるのですが、私は上記のインフルもあって立ち寄れませんでした。こちらはもっと安いかも。この記事を見てトルコ行きたいとなった方、レポート待っています。

その他スーパーで買えるもの

とまあ、「なんだ、全然トルコでかかる飲食費安くないのか」って思われた方、お待ちください。前述のロカンタもそうですが、安いものもあります。

例えば500mlの水1本は7.5TL(38円)。この値段は流石に適いません。

こちらのスーパーで売っていたお馴染みハリボーは16TL(80円)

これはお土産で買ってきたお菓子。日本だとあまり似ているお菓子がありませんが(強いて言うならチョコパイ?)、これは1個6TL(30円)

・・・という感じで、結局物価はモノによるという結論でした。

観光地の入場料

これはクソ高いです。断言します。トルコ国籍と外国人観光客と値段を分けているところも多く、言い方はキツいですが、はっきり言って観光客を金蔓としか見ていないような超強気の価格設定です。

アヤソフィアやブルーモスクといったモスクは宗教施設なので無料で入れるのですが、他がとにかく高い。そんなアヤソフィアも観光客は有料になる、なんて噂がTwitterで流れてきたのですが、果たして。

以下に入場料のかかった施設をいくつか紹介します。

ハルビエ軍事博物館

この軍事博物館ではトルコの歴史が学べるのですが、もう一つ外せない見どころがあります。それは軍楽隊「メフテル」のコンサート。

圧巻の生演奏。

そんな当博物館ですが、入場料はこちら。

18歳以上の観光客は、この博物館への入場に200TL,追加でメフテルのコンサートを見る場合は100TL、合わせて300TL(1,500円)かかります。

この程度だったらまあそんなもんかって感じですが、これは序の口です。

エフェス(エフェソス)遺跡

続いてイズミル近郊にあるエフェス遺跡。保存状態の良い世界屈指のギリシア・ローマ遺跡で、往時の賑わいに思いを馳せることができる素晴らしい遺跡です。

こちらの入場料は700TL(3,500円)。中々いいお値段します。

トプカプ宮殿

世界屈指の大帝国・オスマン帝国のスルタン(他国の国王、皇帝等に相当)が暮らしたここトプカプ宮殿。オスマン帝国の至宝やその美しいイスラーム建築など色々見れるのですが、正直高すぎる

その入場料はなんと1,500TL(7500円)。実はここに来る前に900TLという情報を掴んでいたのですが、さらに値上げされていました。

また、トプカプ宮殿内には当時男子禁制だったハーレムもあるのですが、こちらに入場するには別で500TL(2,500円)かかります。

その他観光地(カッパドキア)

残り把握しているものをリストアップしていきます。

CHECK

・カイマクルの地下都市・・・300TL(1,500円)

・ギョレメ野外博物館・・・480TL(2,400円)

・パジャバー(キノコ岩)・・・280TL(1,400円)

食事

トルコ料理はフランス料理、中華料理と並び、世界三大料理の一つとして数えられることが多いです。

自分は偏食(野菜がほぼ食べられない)な上、先に述べたインフルによる食欲の減退と合わさり、あまりその食文化を楽しむことができなかったのですが、一応紹介させていただきます。

ストリートフード

トルコには様々なストリートフードがあり、イスタンブール市街では特に多くの露店・屋台を目にします。

ぬれバーガー

トルコ語では”Islak Hamburger“。ケチャップのしみたバンズに肉だけを挟んだシンプルなものですが、アツアツかつスパイシーな味わいで非常に美味い。

路上で大体50TLで売ってます。

スィミット

市街地を歩いていると、このスィミットや焼きトウモロコシを売る屋台を高頻度で見かけます。イスタンブールのメイン通りでは、冗談抜きで30mおきに見かけます。

見た通りゴマ付きのパンで生地は固め。20TLほどで購入できる、トルコを代表する定番パンです。

ケバブ

日本でもお馴染みのケバブ。ケバブはトルコ料理の一つで、大体は羊肉を使用しているもの。一口にケバブと言ってもその料理法は多岐にわたります。

今回はストリートフードということで手軽に食べられるドネルケバブのサンド。実はケバブをサンドしたものは発祥はドイツだったりしますが、その辺は気にせず…

レストランで食べられるもの

ピデ

ピザと名前が似ていることからもわかる通り、これはトルコ風のピザ。舟形なのが特徴的です。

味の方はほぼ一般的なピザなのですが、日本とは使用している肉が異なっていたり、はたまたその味付けが違うからなのか分かりませんが、少々味わいが異なります。

チョップ・シシ

シシ(Şiş)とは串のことで、これは串焼きのケバブのこと。

エーゲ海沿岸の街・イズミル近郊でよく食べられるもので、各串に必ず脂身が付いているのが特徴です。

先ほど述べた通り、ケバブには羊肉が使用されていることが大半ですが、特有のクセもなく非常に美味しかったです。

壺焼きケバブ

カッパドキア名物の壺焼きケバブ。写真は壺から出された状態ですが、目の前で壺から鉄板に注いでくれます。

肉ももちろん美味しいのですが、しっかりと肉汁が染みた野菜も意外とイケる。野菜が苦手な自分でも食べることができました。

かなりのボリュームなので注文の際にはご注意を。

飲み物

チャイ

トルコで最も親しまれている定番飲料で、飲食店に入ったら10~20TL程度でお手軽に注文できます。

砂糖を入れて飲むのがトルコ流。雑踏と街並みをのんびり眺めながら、異国に来たという実感に浸るのが良いでしょう。

トルココーヒー

こちらもトルコで愛飲されているコーヒー。通常のコーヒーと異なるのは、粉ごと煮出した後、コーヒーの粉が沈殿するのを待って、その上澄みだけを飲むというスタイルだということ。

多くの場合は水と一緒に出され、コーヒーを飲む前に一口飲んでおくとコーヒーの味わいがより深くなるらしい。

エフェス(ビール)

トルコはイスラム教国だからアルコールは禁止なのでは?と疑問に思った方もいると思います。

イスラム教も様々な宗派に分かれており、ここトルコで主流のスンナ派はこうしたものに比較的寛容です(一方、シーア派が主流のイランでは、観光客でもアルコール飲料の持ち込みが禁止など、厳しいルールがある国もある)。

ここ、トルコで主流のビールはエフェスと呼ばれるもの。非常に口当たりがよく、爽やかで飲みやすかったです。ビールは苦いし後味も苦手…という方でも挑戦できると思います。

歴史

その国の歴史を知れば旅は面白くなるもの。

そこで、トルコに行くなら今から挙げる2つについては押さえておくことをお勧めします。

オスマン帝国

現トルコ領を中心に版図を広げ、最盛期にはアジア・ヨーロッパ・アフリカの三大陸に跨る領土を有した大帝国・オスマン帝国。メフメト2世による東ローマ帝国(ビザンツ帝国)帝都・コンスタンティノポリス(コンスタンティノープル)の征服、スレイマン1世時代の黄金時代など、そのロマンくすぐられる壮大な歴史は、現在のトルコ文化を語る上でも外せない歴史です。

イスタンブールをはじめとした各都市には帝国時代に建てられたモスクや建築が数多く健在であり、往時の面影を残しています。

イスタンブールのアヤソフィア。
当初東ローマ帝国のキリスト教大聖堂だったこの建物は、オスマン帝国のコンスタンティノポリス征服を契機にモスクへと魔改造された。トルコ共和国成立後は博物館になった後、現在は再びモスクとして使用されている。
スレイマニエモスク。スレイマン1世の命を受け、当時のオスマン帝国お抱えの建築士、ミマール・スィナンが作り上げたオスマン建築の最高傑作とも言われる。イスタンブール旧市街を一望できる地点に位置しており、眺めも抜群。

ムスタファ・ケマル・アタテュルク

トルコを訪れると、ある男の写真や肖像画を街のあちこちで見ることになると思います。知らない人からすれば、それこそウンザリするほど。

彼の名は、ムスタファ・ケマル・アタテュルク(Mustafa Kemal Atatürk)。WWⅠ後、すっかりイギリスの犬へと成り下がり、各地で連合国の占領を許したオスマン帝国政府とは別に、国民闘争と呼ばれる抵抗運動を開始、現在のトルコ共和国を建国した英雄です。

特に2023年はトルコ共和国・建国100周年だったので、特によく見かけました。

イスタンブール新市街・タクシム広場にて。建国100周年を祝ったモニュメント。
アンカラ地下鉄・アンカライ、クズライ駅構内にて。
エフェス遺跡のある街、セルチュクのレストランにて。

正直、彼の活躍をここでは語り切れません。気になる方は中公新書から出ている「ケマル・アタテュルクを是非ご一読ください。

一応簡単にまとめると、

・WWⅠ中、ガリポリの戦いにおいて当時の英海相(のち英首相)・チャーチルが立案した攻略作戦を跳ね除け、超重要拠点・ダーダネルス海峡の死守に成功。

「貴官らに、攻撃を命令しているわけではない。死ねと命じているのだ。我々が死ぬまでに稼いだ時間で、ここにほかの兵や司令官がやってこよう」

小笠原弘幸「ケマル・アタテュルク -オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父」P80及びアタテュルク独立戦争博物館のガリポリの戦いに関する解説より。

・WWⅠ後、英の支援を受けたギリシャに国土の一部が占領される。敗戦後の疲弊した戦力しか残されていないにもかかわらず、アンカラ政府の総司令官として軍を指揮し、アナトリア半島の被占領地を奪還。

・WWⅠ後に提示された、現トルコ領を連合国によって分割する条約・セーヴル条約を上記の戦いを契機に改めさせ、ローザンヌ条約にて現在の領土とほぼ同じアナトリア半島の領土を確保。

・初代大統領に就任後、文字改革を断行。それまで使われていたオスマントルコ語を廃し、ラテンアルファベットを用いた新トルコ語の普及に努める。

・イスラム教と政治を分離する政教分離政策を進め、西洋を模範とする近代的国家を目指した。

「トルコ国民は迷信や宗教的反動から脱却し、科学を受け入れ「文明化」せねばならない、さもなくば国際社会においてトルコは生き残れない」

小笠原弘幸「ケマル・アタテュルク -オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父」P219より

救国の英雄であり、祖国の発展に尽力。それが、今もトルコ国民が敬愛してやまない男、ムスタファ・ケマル・アタテュルクという人物なのです。

トルコ史の詳細についてはコチラ↓。

とりあえず、歴史は追いかけていたらキリがないのでオスマンとアタテュルクの2つに絞りました。

言語

トルコの公用語はトルコ語。他の中東諸国とは異なり、アラビア文字ではなくラテンアルファベットを使っているため、比較的とっつきやすいですが、それでも普通のアルファベットにはない文字があったりします。

そこで、話せなくとも、簡単な挨拶や地名などの発音はできた方が便利だろうということで、それを紹介します。

覚えておきたいトルコ語

やはり挨拶や店で使う言葉ぐらいは覚えておきたいもの。なので今回の旅でよく使ったトルコ語を紹介します。

Merhaba(メルハバ)・・・(朝昼夜問わず)こんにちは。

Teşekkürler ederim(テシェッキュルレデリム)・・・ありがとうございます(“ederim“を取ると砕けた「ありがとう」となる。

Bu(ブ)・・・これ。

Lütfen(リュトフェン)・・・~ください、お願いします(“Bu Lütfen“で「これください」となる)。

Ne kadar?(ネカダル)・・・いくら?(“Bu ne kadar?“で「これいくら?」という意味。ちなみにトルコ人は最初トルコ語で数字を伝えがちですが、大体その後英語で言い直してくれます。)

Güle güle(ギュレギュレ)・・・バイバイ。さようならの砕けた言い方。

Japonum(ジャポヌム)・・・日本人(“Ben Japonum(ベン ジャポヌム)”で「私は日本人です」という意味になる。)。

本当によく使うのはこんなところでしょうか。ホテルはほぼ英語が通じる上、飲食店も土産屋も何か欲しいときに”Bu Lütfen“だけ言っとけばどうにかなるので大丈夫です。

あと割と話しかけられるので、その時にトルコ語で挨拶とかするとウケます。覚えてきた甲斐があるというものです。

トルコ語アルファベット

トルコではアルファベットのQ,W,Xは用いません。その代わりに、トルコ語に特有の発音を表現するため、様々なトルコ・アルファベットが追加されています。

ちなみに、トルコ語の発音は全てローマ字読みで読み下せば大丈夫です

C

“C”は勿論普通のアルファベットにもありますが、トルコ語では読み方が「ジェーとなります(“J“とほぼ一緒の発音)。

例:Japonca(ジャポンジャ)・・・日本語

  Eczane(エジュザーネ)・・・薬局

Ç

C“に変なニョロっとしたもの(セディーユ)が付いたものがこちら。”ch“の発音です。

例:çok(チョク)・・・とても、超、めっちゃ

Ğ

G“に音楽記号のスラーみたいなもの(ブレーヴェ)を付けたアルファベット、これはユムシャック・ゲーといい、発音しません

例:Erdoğan(エルドアン)・・・現職トルコ大統領、エルドアン大統領。

I(重要)

一見”I(アイ)”に見えるこれ、小文字にすると”ı“、点がありません。アルファベットの”I“とは異なる文字なのです。道を尋ねるとき、地名に含まれている”ı“を”I(アイ)”だと思って発音していると、現地の人に通じないかもしれないので注意。

発音は「」とほぼ同じ。

例:KIZIRAY(クズライ)・・・首都アンカラの中心街(敢えて大文字で表記)。

  Havalimanı(ハワリマ)・・・空港

アンカラの地下鉄路線図(一部)。赤と緑の路線が交わるところがクズライ。
このように大文字で並べられると違いが分からなくなり、紛らわしい。
イズミル市の広域交通機関・İzban(イズバン)の空港駅にて。

ちなみに、トルコ語アルファベットの”I(アイ)”は大文字でも点が付きます。→İ(例:İstanbul, İzmir・・・イスタンブール、イズミル。いずれもトルコ屈指の大都市。)

Ö

ドイツ語でお馴染みウムラウト付きの”O“。よく「オ」の口で「ウ」と発音するなんて言いますが、自分は”yo“で発音しておけば良いと思いました。

例:Karaköy(カラキョイ)・・・イスタンブール市内の地名。港がある。

  Göreme(ギョレメ)・・・カッパドキアの中心の街。

ただし、文頭にこれが来る場合は「オ」の口で「ウ」と言いましょう。

例:Öğrenci(ウーレンジ)・・・学生

Ş

S“にセディーユを付けたもので、発音は”sh“。普通にただの”S“の発音でも通じるような気がします、多分。

例:Kabataş(カバタシュ)・・・イスタンブール地内の地名。主要観光地を通るトラムの終着駅なので、行先表示でよく見かける。

  Çöp Şiş(チョップ・シシ)・・・肉片に串をつけて焼いた料理。イズミル名物。

Ü

これもドイツ語で見る「ウーウムラウト」。”yu“の発音だと個人的には思います。

例:Eminönü(エミニョニュ)・・・イスタンブール旧市街の地名。ボスフォラス海峡のクルーズ船が発着する港がある。

  Türkiye(テュルキエ)・・・トルコ語でのトルコの呼び方。

まとめ

長くなりましたがいかがでしたでしょうか。

アジア・ヨーロッパの文化が入り交じり、文明の十字路とも呼ばれるイスタンブールを始め、見どころ満載のトルコ。

今回自分はカッパドキアをはじめ、7日間で西部の主要観光地を巡っただけでしたが、底知れぬ魅力のある国だと思います。是非また行きたいと思える国でした。

この記事で少しでもトルコに興味を持ったり、行ってみたいとなった方がいれば光栄です。

一応関連記事を適宜リンクしてあるとおり、詳細な旅行記も記事にしておりますので、ご覧いただければ嬉しいです。

それでは。

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