【グダニスク(ダンツィヒ)】ハンザ同盟で栄えた歴史ある港町

ヴェステルプラッテと第二次世界大戦博物館を見学していたら、すっかり時間が過ぎてしまいましたが、今日乗る夜行列車の発車時刻まではまだまだ時間がたっぷり。

夕刻の旧市街へ、まずは博物館から旧市街のメインストリート・ドゥーガ通りへ向かう。

グダニスク(ダンツィヒ)は中世にハンザ同盟で栄えた都市。バルト海に面したこの街では、その昔海外貿易で栄え、今でもその雰囲気を街並みに残している。

ハンザ同盟とは

13世紀に北方ヨーロッパに存在した自由都市間の通商同盟。北海・バルト海の貿易を完全に掌握した。有名どころの都市だと、リューベック(ハンザ同盟盟主)、ハンブルクなど。

それで特徴的なのが、上の写真のように間口が狭い代わりに、奥行きと高さを確保した建物

これはグダニスクだけではなく、他のハンザ同盟都市にも見られるもので、拡張していく都市の中で居住空間を最大限に確保するためのものだそうだ。

多くの場合は1階を商業用に、2階以上を居住空間として用いていた模様。

グダニスク市の市章「王冠に二つ十字」が外壁にあしらわれた建造物

メインストリートに向かうまでの中でも、中世欧風な建物が次々と現れて面白い。

しかし、ヴェステルプラッテや博物館を訪れた時にも述べたように、グダニスクは第二次世界大戦開戦当時、真っ先に攻撃目標にされた街。例に漏れずこの街も破壊され、今の市街地の姿は戦争終結後に復興したものだ。

ドゥーガ通り

そして博物館から歩くこと15分ほど、グダニスク旧市街のメインストリートであるドゥーガ通りに到着。グダニスク中央駅からも歩いて10分ほどなので、アクセスは良好だ。

先ほど説明した間口の狭い縦長の建物が両サイドにぎっしりと建てられており、かつて北海・バルト海貿易で栄華を誇ったハンザ同盟都市の風格を思わせる。

奥に見える教会も良いアクセントになっていて、本当に美しい街並みだ。今まで訪れた都市で一番好きかもしれない。

また、海上交易で栄えた街だということもあり、市街には運河も発達。長らくドイツ系のプロイセン王国に支配されていた影響か、ドイツ国内によく見られる木組みの建物も目立つ。

このネプチューン像のある広場がグダニスク旧市街の中心。

ここにあるレストランで夕食にした。

ポーランドで定番、”ZYWIEC(ジヴィエツ)”のビール
豚ほほ肉を煮込んだものとポテト

旧市街の美しい建物を眺めながら、ポーランドの地ビールを味わい、ギターの演奏に耳を傾ける…ああ、なんて贅沢な時間なんだろうか。社会の歯車やってて良かったかもしれないと思う唯一の瞬間だ。

ビールを3杯飲みすっかり気分良くなってしまったので、ギターを演奏していたおっちゃんにいくらかチップを渡した。

グダニスクの夜景

駅北側の高台から

さて、日が傾いてきたので、夕焼けと夜景を撮るために駅北側にある高台に向かった。

本当は高台まで遊歩道があるのに、横着して道なき斜面の草をかき分けながら必死こいて登ったという謎過ぎる思い出が残っている。

19:22頃

若干旧市街を出るのが遅かったため、夕焼けのタイミングを逃すという痛恨のミス。まあ、薄暗いのも綺麗だしいいか…

19:40頃

この日はかなり月が大きく映る。というのも、日本では「中秋の名月」と言われる日だったからだ。

日本から遠く離れた異国の地でも、しっかりと確認できた。

今度は旧市街方面ではなく、オストルフというヴィスワ川の中州の方を望む。

この中洲は造船所(グダニスク造船所)になっており、ガントリークレーンの赤ランプがよく見える。

この造船所はソ連衛星国時代、自主管理労働組合「連帯」が生まれた造船所で、ポーランド民主化の先駆けとなった重要な場所だったり。ぜひ行ってみたかったものの、今回はタイムアップということで。

旧市街の夜

夜行列車の発車は23:08。まだ時間があるので、旧市街に戻って夜の街並みを撮影することに。

先ほどのネプチューン像がある広場に戻ってきた。やはりヨーロッパの建築はライトアップが映える。

こちらはドゥーガ通りと運河の間にある“Green Gate(緑の門)”

先ほどの運河沿いの建物を眺める。水面に映る明かりと木組みの建物が特に良い雰囲気だ。

これまでヨーロッパはドイツとフランス(ストラスブール)しか行ったことがないものの、これまで訪れた都市のどことも違う建築が並んでいるのが面白い。

一口に西洋風の建築様式と言っても、色々なバリエーションがあるんだなあと、これまで一括りにしていた自分に反省するのであった。

さて、そろそろいい時間になったので、本日の宿・クラクフ行き夜行列車に乗るべく、グダニスク中央駅に戻ることにした。

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