2024年12月28日(土)の朝8時。長時間のフライトで疲れていた体を久々に横たえ、8時間の快眠で起床。父親も良く寝られたということで、時差順応もバッチリ。
この日は中心部と海岸部を散策しに出かけますが、その前に腹ごしらえ。メトロで市内中心部へ向かいつつ寄り道を。
ホテル最寄のブルーライン・Praça de Espanha駅からBaixa-Chiado駅へ向かい、グリーンラインに乗り換えMartim Moniz駅へやってきました。


ポルトガルのB級グルメ・ビファーナ

さて、この駅のすぐそばにある事前に目を付けていた店へと向かいます。
それが上記写真の奥に伸びる通りの左側一番手前、行き止まりの細い路地にあるAdega dos Presuntosというお店。

ここで早速一発目のポルトガルグルメであるビファーナ(Bifana)をいただくことにします。
まずビファーナとは何なのか。簡単に言うと甘辛く煮込んだ豚肉をバンズに挟んで食べる、ハンバーガーやサンドウィッチによく似たファストフードです。

これが「ビファーナ」。よ~く味付けされた豚肉に、肉汁がよく染み込んだバンズがこれまた絶妙にマッチングして本当に美味しい。ハンバーガーのようにレタスや玉ねぎなどといった野菜は一切介入させず、肉と炭水化物の直球で殴ってくるなんとも漢らしい料理だ。なお、提供時にケチャップやマスタードが一緒に出されるので、お好みでかけるとなおよろし。
お値段は2.8€≒480円。比較的EU圏の中では物価が安いポルトガルなので、まあこんなものだろう。
コメルシオ広場
先ほどのマルティン・モニッツ駅からコメルシオ広場のあるテージョ川沿いまでは坂を下って15分ほどの道のり。1区間だけ地下鉄に乗るのも惜しいので歩いて向かうことに。ちなみにリスボンの地下鉄は1乗車(改札を通ってから60分)1.85€≒315円します(訪問時は1.65€でしたが、値上げされた模様)。高え。


石畳で舗装された細い路地を、黄色いレトロなトラムが坂道を物ともせずグングン走る。一目見た時から憧れていた景色が今、目の前で息をするように動いている。まだ始まったばかりですが、本当に来てよかったと勝手にしみじみ。父親も終始落ち着かない様子で辺りを見渡していました。

そうこうしているうちにコメルシオ広場に到着。曇りの多いヨーロッパの冬にも関わらず、満天の青空が迎えてくれた。2月にドイツに行ったときは8日間ずっと曇っていたというのに…
というのも、欧州の中でも南欧に分類されるポルトガルは、冬でも比較的晴れに恵まれる日が多いんだとか(ただし、北部のポルトなどは別)。なので、冬場になると日光に飢えた中西欧民がこぞって訪問し、オーバーツーリズムを引き起こしているとか何とか。

広場入口にあるのはArco da Rua Augusta、日本語だと「勝利のアーチ」や「凱旋門」とも呼ばれる門。勝利の女神を頂上に抱き、ポルトガル王家の紋章が彫られた左右には、大航海時代の英雄であるヴァスコ・ダ・ガマとリスボン大地震からの復興に尽力したポンバル侯爵の像が鎮座しています。

テージョ川の河口を望むこの広場、昔は王家の宮殿があったらしいのですが、1755年11月1日のリスボン大地震にて市街地ともども壊滅。なんでも、この時の地震はM8.5~9.0と推測されており、これは2011年の東日本大震災と同程度。津波にも襲われたということで、想像を絶する被害があったことでしょう。
そこで首都リスボンの復興に尽力したのが、先ほどの門にも像があったポンバル侯爵。彼は当時の国王・ジョゼ1世(上記写真右側に写る銅像の人物だったりする)の信認の下、強権を振いました。
彼は復興に向けた都市計画の中で、廃墟と化した市街地を元の姿に戻すのではなく、全く新しい都市へと生まれ変わらせることを決意。ポンバルの指導の下、旧王宮周辺の街路は碁盤目状に整備されるなど、計画的な都市開発が行われました。
そんな中、王宮も再建するのではなく新しく広場として整備。そうしてできたのが現在のコメルシオ広場という訳です(昔の名残でTerreiro do Paço(宮殿広場の意)とも呼ばれる)。

それにしたって美しい。大阪の話になってしまい恐縮ですが、最近だと梅田貨物ターミナル跡地にできた「うめきた公園」のように、都心の更に中心部にあるような最高の立地を、一般市民や観光客が自由に訪問でき、のびのびと過ごせるような空間へ生まれ変わらせる都市開発の手法が素敵だなあと思います。
当時の侯爵が果たしてそこまで考えていたかは分かりませんがね。
リスボン大聖堂
コメルシオ広場から東に少し坂を上がり、今度はリスボン大聖堂を訪問。10時からの営業だったので、広場で時間を潰した訳。

入場料は大人1人5€(≒850円)。
1階

まずは1階の身廊部分から見学。側面から伸びる分厚い壁と石柱に、半円アーチの屋根。これは典型的なロマネスク様式の建築です。

かと思えば回廊は尖塔アーチのゴシック様式での建築になっているなど、様々なヨーロッパの建築様式を楽しむことができるのがこの大聖堂。


ちなみにこの大聖堂も先の大地震の影響を勿論モロに受けているものの、砦も兼ねていたという堅固なつくりのおかげか倒壊は免れ、大規模な修復工事も施しつつ今にその姿を残しているという。
2階
この大聖堂の2階部分は宝物や聖具などが展示されており、かなり見ごたえがあるものの、残念ながら撮影不可となっています。

そんな2階のもう一つの見どころがこれ、美しいステンドグラスにキリストと12使徒が描かれたバラ窓。

バラ窓が嵌め込まれたテラスに出ることもでき、このようにリスボンの街並みを見渡せます。目の前の建物がちょうど工事をしていたので残念な景観になっているものの、それでも雲一つない快晴の下、クリーム色の壁にオレンジの屋根が広がるリスボンの街並みは本当に美しい。
午後は海岸部のベレン地区へ向かいます。
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