タイトル通りです。
これまで10ヵ国、渡航のため幾度となく乗り継ぎをしてきたのですが、遂に初めてキャセイパシフィック便で初めてロストバゲージをしたので、事後処理を含め事の顛末を記録しておきたいと思います。
※なお、本記事に航空会社を批判するような意図は全くございません(今回の件は特に不可抗力だし…)。むしろ、後述のとおり真摯に対応していただいたので逆に感謝しています。
関空でのトラブル


2025年9月12日、キャセイパシフィック航空CX589便で香港、次いでCX289便に乗り継ぎフランクフルトへ向かった時のお話です。
初っ端から機材到着が遅れ、この時点で30分程度の遅延が確定。元々香港での乗り継ぎ時間は1時間15分しかなかったのですが、公式サイトから購入したチケットだったので流石に接続するだろうとそこまで焦らず。
しかし、乗り込んで10分、20分…中々動き出さない。そして後から調べるとこんなニュースが。

なんと、この便の定刻20分前に成田発セブ行きのユナイテッド航空UA32便の貨物室で火災が発生し、関空に緊急着陸していたのだ。おそらく、機材到着が遅れたのもこの便を待ってからの着陸となったためだろう。
管制塔からの指示で足止めを喰らいつつも20:30、ようやく滑走路に向けて動き出す…が、ここからも長かった。多くの便が足止めをされた結果、出発待ちの飛行機で滑走路は大渋滞。結局、定刻から1時間49分遅れた21:24にようやく離陸。

香港までは所定3時間ちょっとだが、乗継便には既にどう頑張っても間に合わない時間。エティハド航空でアブダビ→関空へ帰った際の別便振替が頭をよぎるが、それでは困る事情が。それはフランクフルト到着後、その日のうちにハンブルクから出るストックホルム行きの寝台列車を予約しているからです。
香港/HKG→フランクフルト/FRA
23:33(-1)に香港国際空港に着陸。機内モニターの乗り継ぎゲート情報にはフランクフルト行きは表示されていなかったものの、着陸前に「フランクフルト行きに乗り継ぐ方は降機後グランドスタッフへ」と機内アナウンスがかかったため少し一安心。
そして待ち構えていた“Frankfurt!”と叫ぶグランドスタッフに話しかけると搭乗券が回収され、新しい搭乗券を渡された。別便か…と思ったものの、搭乗開始時刻が変更された同じ便。同じくフランクフルト行きへ乗り継ぐ若干十数名と共に、早歩きでゲートに向かいます。

…と思いきや、ゲートに表示されているのは0:30の文字。この便も1時間遅れていました。
じゃあなんで急かす必要があったんですか(しかもこの後出発時刻は0:50に変更された)。
それはさておき、搭乗が始まったので機内へと入るが、半袖シャツ一枚の自分ですら感じる不快感を伴う暑さ。きっと冷房と暖房を間違えられていたに違いない。
そして今度はきっかり0:50に離陸。フランクフルトの予定到着時刻は8:40と表示されていました(本来は6:55)。

ロスバゲ
予定通り8:40にフランクフルトへ着陸。入国審査エリアなので写真は撮れなかったが、今度始まるETIASの関係か、パスポートの読み取りと顔写真撮影、そして指紋採取を行う端末が並んでいた。
他国の審査官は何も質問せず適当なページを開きスタンプを押しますが、ドイツでは簡単とはいえしっかりと質問が飛んできます。その後無事に入国し、色々あったけどあとは荷物を受け取るだけ…
と思っていた。
2レーン分のベルトコンベアに次々と流れ込んでくる荷物。しかし、回れど回れど一向に自分の荷物が見当たらない。そして無情にも「ガコン!」という音と共に荷物の排出が止まってしまった。のんきに身構えていた自分もようやく「もしかしてロスバゲか…?」と悟り、渋々問い合わせカウンターへ向かうことに。
カウンターでのやり取り
カウンターに並び「荷物が出てこないんですけど…」と言うと、手荷物タグの控えから状況を調べてもらった。どうやら、荷物は香港で積み残しをされていたようだった。人間は乗り継げたけど、荷物は乗り継げなかったってか笑
乗り継ぎがあると荷物を積み替える必要があることからどうしてもロスバゲのリスクはあるが、まさか自分が当事者になる日が来るとは思わなかった。こういう時のために荷物タグのシールはとっておきましょう。
その後は電話番号かメールアドレスを持っているか聞かれましたが、eSIMは電話番号が無いプランで契約していたのでメールアドレスのみ伝えました。ここで手荷物サービスからメールが受け取れることを確認し、続いて滞在先についての質問。
「この日のうちに寝台でストックホルムに行った後、転々とする」と言うと「じゃあストックホルムの空港に送るわ、空港まで取りに来いよ😁」と言われてしまう。これで数日は荷物無し生活確定です。
余談だが同じ便に日本人大学生がいた。初めての海外だと言う彼は、乗り継ぎにヒヤヒヤした挙句、着いた先でロスバゲという最悪のコンボをいきなり経験してしまったようだ。しかも、「え!?荷物タグの控え捨てちゃったんですけど!」と言っていたが大丈夫だっただろうか…
不足物資の購入
さて、ロストバゲージの結果発生するのが、当面の衣服や日用品はどうするのかという問題。
こんなことを想定していなかった私は、冬物の衣服や変換プラグを全て手荷物として預けており(バカ)、手元にあるのは財布とスマホ、モバイルバッテリー、USBケーブル1本、そしてミラーレス一眼。服装に至っては半袖1枚という近所の散歩レベルの軽装。
まだまだ残暑厳しい気温32℃の日本を飛び出してきたので「着いたら着替えればいいや」と考えていたのですが完全に失敗。秋深まるこの日のフランクフルトの気温は15℃。でも今日は移動だけだし…とストックホルム行き寝台に乗車し、スウェーデンに着いた時には10℃+強風。たまらずH&Mに駆け込みました。

レシートを取っておけば航空会社ないしは保険会社に「日用品購入費用」として補償を請求できるようなので忘れずに保管しましょう。
受け取り
連絡
ロスバゲした翌日の18時、ストックホルム・アーランダ空港の手荷物サービスから「荷物を受け取った」との連絡が。

しかし、翌日は朝からゴットランド島に向かうフェリーに乗る予定があったので、実際にアーランダ空港を利用する3日後まで放置。
そしてドイツに戻るための空港利用のついでに荷物を回収します。
ストックホルム・アーランダ空港でロストバゲージを受け取ることになったあなたへ
こんなニッチなものでも、いつどこかで誰かの役に立つかもしれないので書き留めておく笑
アーランダ空港にある手荷物を取り扱う業者は2つ、上記のMenzies(メンジーズ)とAviator(アヴィエータ―)。まずはこの事務所に向かうのですが、場所がすこぶるわかりづらい。
最初分からず出発ロビーの階に行くと、同じくMenziesのチケットカウンターがあったので聞いたところ”Down stair(下の階だ)”と言われ、到着ロビーの階をうろうろするも見当たらず。

で、結局どこにあったのかというと、旅客の到着口からひたすら真っ直ぐ進み、上記のセブンイレブンの横をさらに進んだ先、空港の端っこ・出入口付近にありました。

これがアーランダ空港の手荷物サービス室。非常に分かりづらい。また、カウンターらしきものはありますがカーテンが降りており、本当にやっているのか…
ドア横についているインターホンを押し、「ロスバゲを受け取りに来た」と言いオペレーターとやり取りをします。伝える内容は名前、報告書に記載されたコードに利用した便、出発地・最終目的地。
やり取りの後、「ちょっと待て」と2分ほど放置され、本当に大丈夫か不安になってきたタイミングで突然扉が開き、「こっちに来い」と誘導され、無事手荷物を受け取ることができました。
なお、通される場所はアーランダ空港に到着した通常の旅客が荷物を受け取る場所なので、そのまま旅客と一緒に到着ロビーへ戻ることに。


こちらが受け取った荷物。“RUSH”と、乗り継ぎ時間が少ないので積み込みに余裕がないことを示すタグが付けられていたものの、努力虚しく残念ながら荷物は置き去りにされてしまったようでした。
補償請求
そして帰国後、結局現地で色々購入したのでその補償請求をします。
航空会社の申請フォーム
各航空会社のホームページにはおそらく補償申請を行うページが用意されているので、まずはそこへアクセス。
手荷物がどうなったか(紛失、破損等)を入力しますが、「遅延」の項目はないので”Others”を選択して適当に“Baggage delayed”と入力。名前や報告書のコード、利用したフライトなど必要事項を記入し、次のページへ。


ここも指示通り入力。ただ、今回は破損や紛失などはないので、「手荷物が遅延したので、追加で出費した日用品購入費用について補償を求めます」という旨の文章を適当にDeepLで翻訳してもらい、「請求の説明」欄に英文をぶち込んで申請完了です。
レシートを送る
で、申請すると後からこんなメールが来ます。

このメールに実際に購入した際のレシートをスキャンなりして添付し、航空会社に送ります。
なお、リンクになっている部分(「の委任状に必要事項」)については、代理人が申請する場合に限って提出が必要な書類ですので、今回は不要です。
レシートの内容はH&Mで買った防寒着1,322SEK(≒20,500円)と、歯ブラシやボディソープといった日用品50SEK(≒780円)、そしてこれしか売ってなかった無駄に高性能な充電器700SEK(≒10,900円)の合計2072SEK(≒32,180円)
補償内容の案内と請求手続き
そしてレシートを送って1週間後、キャセイから保証金額についてのメールが。

これによると、「歯ブラシとかの洗面用品や充電器については全額の補償をするけど、新品の衣類は日本に帰った後も使える残存価値を考えて半額にしたよ」…とのこと。確かに、向こうで買ったパーカーとウインドブレーカーは帰った後も結構愛用している笑 充電器はCタイプのプラグなので日本じゃ当然使えないが…
という訳で、出費額約32,000円の内、22,700円が返ってくることになりました。素晴らしい。

あとは先ほどのメールに記載されているフォームから希望する振込先の情報を入力して終わりです。
余談ですが、”Account Type”の入力欄で普通預金か当座預金を選ぶのですが、英語だと前者は”Saving account”、後者は”Current account”になるという今後使うか分からない知見を得ました。
以上、ロストバゲージした経験とその後の処理についてのお話でした。
皆さんはこんな時のことも考えて、せめて1日分の着替えや現地で使える充電器(変換プラグ含む)くらいは持ち込みで持っていくと良いかもしれません笑(それか、どうせ補償出るしいいやと現地で豪遊するのも…ゴニョゴニョ)
それでは次の記事で。




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