旧ポルトガル領の雰囲気を残すマカオ歴史地区を歩く【後編】

次の目的地までまた歩いて向かうことに。本当はバスとか使った方が回りやすいのかもしれないけど、一々バスがどのルートを通るかとか調べるのが面倒なので、結局現地では歩きがち。

まあこうやって歩いている何気ない路地も、異国情緒全開で心くすぐられるのが海外街歩きの楽しい所なので、これはこれで良いかな、なんて。

福隆新街

途中に有名な通りがあったので寄ってみることに。

ここ、福隆新街フォッロンサンガイはかつて遊郭として賑わった通り。美しい白壁と、通りにかかる中華風の垂れ幕が良い感じに調和していて非常に良い雰囲気。

ついでだしせっかくだから寄ってみるか~というノリで来ましたが、思ったよりムードがあって良い場所でした。

崗頂前地(聖オーガスティン広場)

この広場はカテドラル広場同様、ポルトガル植民地時代を思わせるコロニアルな雰囲気。

聖オーガスティン教会

そんな広場の中央にあるのが、この「聖オーガスティン教会」。これまで見てきた聖パウロ天主堂跡や聖ドミニコ教会といった教会と比べると、かなり質素でシンプルなファサードになっていた。こういうのを新古典様式というらしい。

中央の祭壇には「受難のイエス像」がある。

内装は前回の聖ドミニコ教会と同じ、ローマの集会堂を参考にしたバシリカ様式。

やっぱり教会は釣り合いの取れたシンメトリーな内装が良い。

ドン・ペドロ5世劇場

さっきの教会の向かいにあるこの建物は、「ドン・ペドロ5世劇場」。教会が多いマカオの歴史地区ですが、こちらは劇場。

名前の由来は勿論ポルトガル国王のドン・ペドロ5世(在位1853~1861)。東洋の中で最も古い西洋式劇場の一つ。

中は飲み物持ち込み禁止なので気を付けましょう(入るときに入口のテーブルに置いといてと言われた)。

中にはポルトガルの民族歌謡「ファド」についての展示が。

ファドはポルトガル語に特有の「Saudade(サウダージ)」という感情を表現した民族歌謡。ちなみにこの単語、世界で最も翻訳しづらい単語に選ばれていたり。

日本語の意味では、遠く離れたものやもう無くなっているものに対して、センチメンタルな感情を抱くこと。「郷愁」とか「哀愁」に近いようだ。

この劇場は2階建てになっており、建物内の脇にある階段から上に上がることができる。

このスペース、白い壁と美しい木目の床がマッチしていてかなり好み。

劇場の1階と2階部分。これはカメラの設定をミスっているのではなく、本当にこんな明るさ。

2階部分の手すりがWを丸っこくしたような設計になっていてオシャレ。マカオの世界遺産を回っている中で、一番好みな建物かもしれない。

何度でも言うが、コロニアルな雰囲気の建造物と街並みのギャップがたまらないのだ。

聖ローレンソ教会

半島南のペンニャ教会に向かう途中に現れた「聖ローレンソ教会」にも立ち寄り。

それにしても教会の密度が高い。

来る途中にもやけに綺麗で目立つ赤色の建物があった。

カテドラル広場のカテドラルとよく似た建築様式ですが、少し小ぶりで可愛らしい色をしているのがこの聖ローレンス教会。

現在の姿は1846年に修築されたものですが、元々はイエズス会によって1560年に建てられ、マカオで最も古い教会の一つに数えられる歴史ある教会のようだ。

十字架の台座に刻まれた年号がその歴史を物語っている。

内部は柱がなく、すっきりとした印象を受ける。淡いパステルカラーの内装と聖書がモチーフにされたステンドグラスが映えてよい感じ。

教会巡り、新旧約聖書の内容やヨーロッパの建築様式を勉強していればもっと面白いんだろうなあ。

ペンニャ教会からの眺め

聖ローレンス教会から歩くこと約10分、ペンニャの丘とも呼ばれる西望洋山サイモンヨンサンにやってきた。

これがペンニャ教会。パステルカラーな見た目の教会が多い中、この教会は石造りのシンプルな外観。中は開いていなかったので入れなかった。

この丘からの眺めは抜群…と言いたいところだが、この日は曇っている上にガスっていて微妙な眺望。

丘からはマカオタワーと、半島南に浮かぶコロアネ島の摩天楼、それを結ぶ西灣大橋を望むことができる。

カジノ・リスボアの方向を望む聖母像。

ギアの灯台へ

急坂を下り、再び市街地の方へ。

ちょうど市街地の方へ向かうバスが来ていましたが、タッチの差で行ってしまったのでまた歩くことに。結構歩いているので中々疲れてきた。

ポルトガル国旗がはためいていたが、別に大使館とかではないらしい。
迫真の「新中央」。

良い感じの路地と、そこからカジノ・リスボアの特徴的な図体が覗く。

たまらないねえ。

ギアの灯台

さっきのカジノリスボアが見える路地からひたすら坂を上がり、ギアの灯台がある松山公園にやってきた。ランニングコースが整備されており、走っている地元民が多かった。

そして肝心の灯台だが、工事中か何なのかで入れなかった。うーん、残念。

カジノ・リスボアの圧倒的存在感。

かなり日が落ちてきたのでマカオの夜景を一枚。この公園はマカオで最も高い山にあるため、街並みが良く見えるのだ。

ただ、この日は街が全体的にガスっていたのが残念。

マカオから香港へ

東アジア屈指のネオン街・マカオの夜は始まったばかりだが、そろそろ香港に戻る時間。

再びカジノ・リスボア前のバスターミナルから口岸へ向かうバスに乗車。

行きと同じく渋滞にハマり、また1時間かかってしまった。

建物に入るとこんな看板が。

香港~マカオ間のバスは24時間運行されているらしいが、建物は22時で閉まる…のか?よくわからない。

オクトパスに現金が入っていなかったので、現金で帰りのチケットを購入。

帰りのバスの座席は固かった。

また橋を渡り40分ほどで香港に到着。さらに九龍半島の繁華街へ向かうためにバスを乗り継いで行く。

さて、オクトパスに現金が入っていなかったのでここでチャージ。日本でもお馴染みのセブンイレブンでチャージできるのだ。

行きと同じA21系統に乗車。ちなみにこの系統、九龍半島のメインストリートであるネイザンロード沿いの主要駅周辺にすべて停車するので非常に利用客が多く、1本は満員で見送らざるを得なかった。

夜中のバスターミナル。空港がすぐ横なので、飛行機がバンバン飛んでいく。

結局、ホテルに戻ってきたのは0時を少し回った頃。猛烈に腹が減ったのですぐ近くにあった店で刀削麺をいただく。

小辛で頼んだのにとんでもない量のスパイスで笑ってしまう。中華の本場舐めててすみません。

顔面をビリビリ痺れさせながらなんとか完食。辛味の中にしっかりと旨みもある良い麺だった。

そんなこんなで香港最後の夜は終了。

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