建国の父が眠るアタテュルク廟を訪ねて【23-24年末年始トルコ旅#15】

2024年1月3日。昨日エフェスを病み上がりの中歩いた結果、またインフルがぶり返ししんどい1日に。

しかし、せっかくアンカラまで来たので絶対に行きたい所がある。それがアタテュルク廟(Anıtkabir)だ。ここだけ行って、カッパドキアへ向かうことにする。

アタテュルク廟の最寄り駅、アナドルへ

ホテルから最寄り駅へ向かう。アンカラの地下鉄駅の入口は、その地下鉄路線のイメージカラーに塗られたダイスのような立方体に“M”と書かれているのが目印。

メトロ-1線のウルス(Ulus)駅からアナドル(Anadol)駅へ向かう。

窓口でアンカラの交通系カード、アンカラカードを購入。ちなみに、タッチ決済対応のクレジットカードでも改札を通れる。進んでるなあ。

アンカラカードは40TL≒190円で、一乗車は15TL≒70円だ。

駅構内はなんか薄暗い。まるで名古屋市営地下鉄のよう。

アタテュルク廟最寄りのアナドル駅へは途中のクズライ(15 Temmuz Kızılay Milli İrade)駅でアンカライ(緑色の路線)に乗り換える。

アンカライに乗り換えるにはホームを通り、アシュティ(AŞTİ)と書かれた矢印の方向へ歩く。

駅構内には恒例のトルコ国旗とアタテュルクの旗の組み合わせ。

駅を出たら南向きへ進むと入口が見えてくる。ここでは手荷物検査があり、スーツケースとリュックはその事務所でタダで預かってもらえた。

手荷物検査を抜けると緩やかな坂が廟のある高台の頂上まで続く。ちなみに検査を抜けた後すぐ自販機がある。飲料の入手はここと博物館内の売店のみなので、持ち合わせが無ければ買っておくのが吉。

アタテュルク廟

しばらく上がると廟へ続く石畳の道が見えてくる。

参道入口の左右には男女それぞれ3人組の石像があり、男性3人組はトルコを担う学生・農夫・軍人を、右側中央の女性像はアタテュルクの死を悼み泣いている様子が表されている。

また、左右の建物はちょっとした展示物が。

これはアタテュルクの棺を彼が亡くなったドルマバフチェ宮殿から、同イスタンブール市内にあるサライブルヌの港に運んだ野戦砲。その後彼の遺体は戦艦と特別列車でここへ運ばれたそうだ。

トルコ国旗が掛けられているのはそういうことか。

廟の回廊

石畳の道である「ライオンロード」をしばらく歩くと、廟のある広大な広場に出る。古代ギリシア・ローマの建築様式を模したといわれるこの廟は、いかにも歴史的建造物のように見えるが1953年建立とかなり最近である。そりゃ、アタテュルクが亡くなったのは1938年なので当然だが。

廟を取り囲む回廊の角には、それぞれちょっとした展示がなされている。

国民闘争の歴史を記録したビデオが投影されていた。
当時の車の展示。何のゆかりがあるのかは不明。

アタテュルク廟は小高い丘の上にあるため、回廊からはアンカラ市街を一望できる。

赤茶色のレトロな屋根と、背後に高層ビルの林立する市街を望む。

国民闘争を戦い抜く上で重要拠点となったアンカラの街。アタテュルクがアンカラ政府を立ち上げた当時、アンカラは山羊の毛の産地として知られるただの一地方都市に過ぎなかった。

そして新生トルコ共和国となった今、アンカラは首都となり、人口は500万を超えるメガロポリスへと姿を変えた。

まさにトルコの心臓ともいえるアンカラ。混迷の中発展を遂げたアンカラの街をこの回廊から望むと、建国の父・アタテュルクに崇敬の念を覚える。

また、アタテュルク廟の向かいには、トルコ共和国2代目大統領のイスメト・イノニュの棺もある。偉大過ぎる初代大統領を継いだ彼は相当な重荷を背負っていたはずだが、忠実にアタテュルクの政治路線を堅持し、共和国の安定に努めた。「祖国に平和、世界に平和」というアタテュルクの外交方針の通り、WWⅡが始まってもギリギリまで中立を保ち、最終局面で枢軸国へ宣戦布告、上手く勝ち馬に乗ることができた。

廟の内部

独立戦争博物館に入った後に廟へ入ったので順番は前後するが、内部の様子を紹介する。

ちょうど衛兵交代が行われていたが、写真を撮り逃してしまった。14時ごろだった。

廟を入った正面にアタテュルクの棺が安置されている。その大理石製の棺の前でみな思い思いに記念撮影をしていた。

偉大な軍人であり、指導者であり、建国の英雄であったムスタファ・ケマル・アタテュルク。近代~現代にかけてのトルコを語る上で切っても切れない人物だ。そんな彼の棺の前でトルコの歩んできた歴史に思いを馳せる…この廟に行くなら、ぜひともトルコ近代史を勉強してみてほしい。ぐっと面白さが増すはずだ。

また、併設されている独立戦争博物館で歴史を学ぶこともできるので、次の記事ではそれを紹介したい。

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