東ドイツの古都・ドレスデン(後編)【ドイツ・フランス卒業旅行#11】

ドレスデン旧市街

ザクセン選帝侯領、ザクセン王国首都、そして現在のザクセン州の州都であるドレスデン。「東ドイツの古都」とも「エルベ川のフィレンツェ」とも称えられるこの街は、バロック建築で統一されたその街並みが有名です。

しかし、第二次世界大戦で街は被災。ドレスデン市街地は連合軍の爆撃により焼け野原になりました。

ただ、その後は復興・再建を重ね、過去の美しい街並みを現代に取り戻しました。

中央駅から旧市街へと続く道。この旅で青空が見える数少ない瞬間でした(まあ、雲が多いですが…)。

どんな建物を撮っても、どこにカメラを向けようとも、このドレスデンという街は本当に絵になる街です。なんだかんだフランクフルト、ケルン、ベルリンとドイツ各都市を回ってきましたが、ここまで美しい街並みが続いているのはこの街が初めてかもしれません。

焼け野原からよくここまで復興させたものです。

君主の行進

さて、エルベ川に架かるアウグストゥス橋の手前のこの区画。当該地区に建ち並ぶ美しいバロック建築の建物に酔いしれるのもよいですが、もう一つ見所があります。

それが「君主の行進」です。

ドレスデン近郊にマイセンという街があるのですが、そのマイセンの名産品マイセン磁器」のタイルを2万5千枚も用いて描いたのがこの壁画。

当地ザクセンの歴代君主を描き出した見ごたえある壁画は、第二次世界大戦の戦火を奇跡的に免れたことから、長らくこの形を保っています。

アウグストゥス橋

さて、先ほど申し上げたアウグストゥス橋。これは先ほどの旧市街と新市街のノイシュタット地区を結ぶ橋で、新市街側の河岸からはこのようにドレスデン旧市街の美しい街並みを収めることができます。

そして橋の上にはこんなオブジェが。

これは葛飾北斎の富岳三十六景、神奈川沖浪裏!?まさかこんな異国の地で突然葛飾北斎の絵(?)を見ることになるとは思いませんでした。

調べてみると、このドレスデンという街は度々エルベ川の氾濫に見舞われ、特に2002年には街中が冠水するという物凄い洪水に見舞われたそう。

その記憶を忘れないために、「大波」と名付けられた当作品が橋の欄干に設置されているという訳です(つまり、神奈川沖浪裏ではなく、これにインスピレーションを受けた作品)。

てっきり日独の美術的交流の一環かと思いましたが、どうやらそうではないらしい。

外国の川は流れが穏やかだと言いますが、洪水の猛威は各国共通の様です。

ツヴィンガー宮殿

先ほどの写真から見える奥の橋を渡り、再び旧市街に戻り散策していると良さげな宮殿があったので中へ。適当に歩いているので、行き当たりばったりです。

ここは時のザクセン選帝侯、フリードリヒ・アウグスト1世が建設させた宮殿で、バロック建築の傑作とも言われます。本来なら中に美しい中庭があるはずなのですが、大規模な改修工事中で残念ながら拝むことはできず。

建物は美しいのですが、こうも工事車両や土が丸出しだと映えないですね。やはり雰囲気を演出するというのは大事だということです。

ただ、建物は本当に美しかったです。

フラウエン教会とルター像

再び旧市街方面へ歩いていくと、大きい広場に出ます。

ここはノイマルクト広場。旧市街のちょうど中心部にあるこの広場には、フラウエン(聖母)教会がそびえ立ちます。

フラウエン教会。ドイツ最大のプロテスタント教会として1743年に完成しましたが、例によって第二次世界大戦で崩壊。1994年に再建が開始され、現代によみがえったのは2005年と、戦後50年弱も放置されていた過去があります。

そんな教会の前には歴史の教科書でお馴染み、宗教改革を行ったマルティン・ルター像が立ちます。

彼はここドイツ(当時は神聖ローマ帝国・ザクセン選帝侯領)の出身。16世紀前半に当時の教皇、レオ10世が教会の建築費用を稼ぐために販売された贖宥状(免罪符)の販売に反対し、魂の救済は善行を積むこと=贖宥状の購入ではなくキリストの福音への信仰のみによると考えていた彼は「九十五カ条の論題」を発表。教皇に刃向かった彼は当然破門されてしまいますが、独自の派閥、ルター派(プロテスタント)を形成。その後アウクスブルクの宗教和議で公式にその派閥の存在を認められました。

そんな訳でプロテスタントの生みの親となった彼がプロテスタント教会の前に立っているという訳です。

ちなみに教会とルター像が写るこの縦写真はかなりお気に入り。

ドレスデン→ライプツィヒ→ミュンヘン

さて、ドレスデン中央駅に戻ってきました。この日は南ドイツのミュンヘンまで移動します。

ICEのフランクフルト・アム・マイン行きに乗車。本当にこのドイツ旅行ではお世話になっている列車です。

途中のライプツィヒ中央駅で乗り換えます。

ライプツィヒ中央駅

ここ、ライプツィヒ(Leipzig)はドレスデンと同じザクセン州の街。州都のドレスデンよりも人口はやや多く、60万人が暮らしています。

そんな街の中央駅は櫛型ホームかつドーム屋根の圧巻の構造。こうしてホーム中央部から駅舎の方を見るとその建築構造が良く分かります。

駅舎内はすっかりこのドイツ旅行で馴染み深くなったスーパーREWEや、他にもバーガーキング、サブウェイなどのファストフード店などがあり、かなり充実しておりました。

乗り換え時間は40分弱ありましたが、余裕で時間が潰せました。

という訳でホーム上の屋台でカリーヴルストを購入。ソーセージばっか食べてんな。

14番ホームのミュンヘン行きICEはいつも通り10分遅れ。1等車の車両は端っこなので移動します。

無事乗車。そこそこ混んでいたので友人たちとはバラバラに座ります。やっぱり長距離移動は座席指定をするべき(n度目)。

ICE(1等車限定?)に乗るともらえるお菓子。ハート形のクッキーです。

そしてライプツィヒ中央駅からICEに乗ること3時間半、南ドイツの大都市ミュンヘンに到着です。

ミュンヘン(München)は人口150万人を擁するドイツ第3の街。ドイツ語読みだと「ヒェン」の方が実際の発音に近いらしい。

ホテルに荷物を預け、しばらくのんびりした後、夕食を食べに街に繰り出します。

次回のブログは短くなるかもしれませんが、試験的に短い文章での投稿もしてみます。それでは。

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