こんにちは。
皆さんは旅する時、どのような移動手段を選ぶでしょうか。そうですね、鉄道ですね。
という冗談はさておき、ヨーロッパ(西欧~中欧)では鉄道網がよく整備されています。国境を跨ぐ国際列車や夜行列車、日本でいう新幹線のような高速鉄道も運行されており、欧州での移動手段として、鉄道という選択肢はかなり有能であると言えます。
今回紹介するポーランドも例外ではなかったので、そんなポーランドの鉄道の乗り方と実際の乗車録を載せておきます。
※今回、ユーレイルパスの話ではないのでご了承ください。
また、Apple Payを利用するので、Androidの方はゴメンナサイ。
PKP Intercityのアプリ
ポーランドの長距離列車を運行するPKP Intercityのアプリをまず入れましょう。
今回は主に都市間の移動(ワルシャワ→クラクフ、グダニスク、ポズナン等)に関するチケットの予約方法を想定していますので、予めご了承ください。
iPhoneをお持ちの皆さんは、Apple Storeで“PKP”と検索いただくと、上記のアプリが出てくるので、こちらをダウンロード。
アプリを開くとこのような画面が出てくるので、早速予約してみよう。なんと、全てのページで英語対応している。バンザイ。
列車の検索
出発地と行先の入力
まずは“From”に出発する都市、“To”に目的地の都市を入力。
今回自分はワルシャワ→グダニスクの乗車券を購入するので、それぞれWarszawa, Gdańskと入力。
優等列車が発着するポーランドの主要駅は”Główny(グゥヴヌ)”と呼ばれ、Gł と略される。ローマ字通り「グロゥニー」と発音しても何となく通じる(気がした)。
例:Gdańsk Główny(グダニスク中央駅)、Kraków Główny(クラクフ中央駅)
たまに亜種のGłównaという表記もあるが、両者の違いは不明。
例:Gdynia Główna(グディニャ中央駅)、Bydgoszcz Główna(ビドゴシュチ中央駅)
ただし、ワルシャワ中央駅だけは何故か”Warszawa Centralna“と表記される。略称は Centl.
Warszawa Głównaという駅もあるが、こちらは全然中央駅と関係ないので注意。
日時の指定
出発駅と目的地を入力すると、今度は下に出発日時と大人・子供や各種割引等を選択する欄が出てくるので、こちらを入力。
日本と同じく、乗車日の1か月前から予約可能です(ポーランド時間で)。
列車の指定
その後は“Search Connection”を押し、列車を検索。
するとこのようにいくつか候補が出てくるので、都合のいい列車を選びましょう。
今回はEIPという最速達種別に乗るので、上から2番目の列車(18:25発、20:50着)を選択。
1等車か2等車かを選択。
両者の違いだが、1等車には食事のサービスがあるらしい。
ポーランド国内を走る列車の優等種別は以下の通り。
列車種別 | 概要 |
---|---|
EIP(Express Intercity Premium) | 都市間超特急。日本の特急以上新幹線未満といった感じ。 運行路線が限られている。 |
IC(InterCity) | 都市間特急。こっちの方がメジャー。 |
TLK(Twoje Linie Kolejowe) | 直訳すると「あなたの鉄道」。急行・準急に相当し、上記2つに比べると料金は安いが、その分遅い。 |
EIC(Express InterCity) | EIPの国際列車版。 |
EC(EuroCity) | 国際特急。 |
EN(EuroNight) | 国際夜行列車。ポーランド発着は1系統のみで、ワルシャワ‐クラクフ‐プラハを結ぶ。 |
割引について
ポーランド国鉄には多彩な割引制度がある。
上記のように、SuperPromoやPROMOPLUSといったとんでもない割引制度が用意されており、前者に至っては驚異の7割引き。PROMOPLUSでも半額以下だ。2等車のSuperPromoの価格は49zł(≒1,860円)なので、定価だと1.5往復できる計算になる。
しかし、これらは当記事を書くうえで改めて調べたら出てきたもので、自分が8月に取った時には表示されていなかった。壮絶な取り合いになっているか、あるいはハイシーズンは発売されていなかったりするのかもしれない。
そしておそらく、一番狙いやすいのは、30日前からの早割であるPromo30という割引。3割引きになる。ただし、これも割引枠はかなり少なく、1日過ぎるともう無くなっていたりするので、旅程を早めに決めて即座に予約することをオススメしたい。今回の場合は、通常料金169zł(≒6,420円)のところ、118.3zł(≒4,500円)になった。
30~15日前の予約に適用される、Promo15という割引もある。こちらは割引率が落ち、1.5割引き。
座席指定
さっきの画面の“Select a seat from the diagram”を押すと、このように車内マップから座席を指定することができる。
緑色の座席が指定可能。当然、発売直後に購入したので空席ばかりだった。
選択後、“SELECT”を押して先ほどの画面に戻った後、“SUMMARY”のボタンを押すと、予約内容の確認画面へ。
支払い
ここで特に問題が無ければ、“PAY”を押して購入画面へ。
“Name and surname of the passenger”の欄に名姓の順で名前を記入し、利用規約(I accept the Regulations of the service)のチェックボックスにチェックを入れる。
“Payment method”で支払方法を選択。ここで3つ選択肢がありますが、Card via WWWはエラーが出て決済できず、Blikはアカウント作れば可能かも?
ここはタイトル通り、無難にApple Payを選択。クレジットカードと紐づけできるので、これが一番簡単だと思います。
名前の記入、チェックボックスへのチェック、支払い方法を選んだあとは、“Accept the terms and conditions”で支払いましょう。Apple Payの場合は電源ボタンを2回押すだけなので簡単に決済できますね。
チケットの確認
決済後はアプリのトップ画面の下にある“Tickets”の欄で購入したチケットが追加されているか確認。
しっかり追加されてます。
乗車予定の列車をタップすると、このようにQRコードが表示されるので、乗車後車掌が検札に回ってきた際に見せればOK。また、登録したメールアドレスにPDFでもチケットが届くので、心配な方は印刷して持っていくと吉。
実際に乗ってみた
さて、2024年9月16日。この日はポーランド入国から2日目。ワルシャワを観光した後、次の都市・グダニスクへ。
乗車まで
中央駅構内の発車標でホームを確認。18:25発、EIP3503 Gdynia Główna行きは2番線発のよう。しかし、発車するホームが途中で変わるということもよくあるらしい。
ホーム上にはより詳細な案内表示がある。7両編成で、最後部の号車が1等車の模様。自分が購入していた座席はsektor1付近に停車するらしいので、その付近で待ちます。
時間になっても来ない…と思っていたら、5分遅れと表示されている。どうやら列車は南部の大都市・クラクフからやってくるらしい。ポーランドをほぼ南北に横断していてすごい。
定刻から待つこと10分。ようやく列車がやってきた。
流線型のフォルムが日本の新幹線を彷彿とさせる、ポーランドの高速列車・EIP。
列車番号は3503のはずだが、側面表示では3502になっていた。何故。しかし、行先も合っているので、これに間違いない。
乗車&車内の様子
これがポーランド高速鉄道・EIPの車内。落ち着いた色合いの車内で居住性◎
停車中と発車後しばらくは、ショパンのノクターン(夜想曲第2番)が流れており、雰囲気も◎。実にポーランドらしくて素晴らしい。
座席の横にはコンセントもあり充電可能。ただし、USBとかではなく、Cタイプのコンセント専用。
発車
地下駅であるワルシャワ中央駅を発車後はしばらく地下を走り、地上に出たタイミングでノクターンが止み、アナウンスが入る。
発車して5分ほどでヴィスワ川を渡ると、すぐに次の停車駅・ワルシャワ東駅(Warszawa Wschodnia)に停車。
ここで2分ほど停車して発車。
さて、この列車は先ほど説明した通り、ポーランドの最速達種別・EIP。首都ワルシャワからバルト海に面する歴史ある港町・グダニスクまでの327㎞を2時間25分で結んでおり、表定速度は135㎞/hと中々の速さ。
それもそのはず。なんとこの列車、ワルシャワ東駅を出て、次の停車駅は遥か323㎞先のグダニスク中央駅で、その間はノンストップ。ワルシャワ発グディニャ行きのEIPは日に14本ありますが、ノンストップ便はその内3本のみ。物珍しさから乗ってみたという訳です。
東海道新幹線の「のぞみ」が名古屋~新横浜間の337㎞をノンストップで走るので、距離だけで見たらそれに似たような感覚かもしれない。流石に新幹線の方が圧倒的に早いけど。
夜も更け、漆黒の平原をひたすら北に向かって突っ走る。
水のサービスもある。最初車掌が回ってきたと勘違いしてチケットを見せたら、「いや、君にただ水を渡しに来ただけなんだ」と言われた。ゴメン。
グダニスク中央駅
そして、ワルシャワ中央駅を発車してから3時間。30分遅れてグダニスク中央駅に到着。最速達種別とはなんだったのか…
まあ、海外の鉄道に定時性なんて期待する方が間違ってますからね、ガハハ。
大切なのは旅情です。
グダニスク中央駅はレンガ造りの美しい駅舎。東京駅然り、レンガ造りの駅舎はいいですね。
という訳で、ポーランド国鉄の予約方法と実際のEIP乗車録でした。
それでは皆様、良い旅を。ド・ヴィゼーニャ!
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