スルタンの居城・トプカプ宮殿と世界遺産アヤソフィア【23-24年末年始トルコ旅#23】

午前中はスーパーで土産を買いつつホテルにチェックインし、午後からトプカプ宮殿へ。

トプカプ宮殿

衝撃の入場料

入口である「挨拶の門」

Twitterで事前に見た入場料は900TL≒4,500円と聞いていて、結構するなあ…と思っていたら、なんと1,500TL=7,200円に値上げされていた。とんでもない値段だ。

しかし、ここまで来たので引き下がれない。覚悟を決めてチケットを購入し、中へ。

また、入口脇にある建物で、日本語含めた無料のオーディオガイドを借りることができる。この時パスポートを預ける必要があった。

謁見の間

そもそも、トプカプ宮殿とは?これはタイトル通り、オスマン帝国のスルタン(皇帝)や、その側近たちが暮らした宮殿。イスタンブル陥落後、メフメト2世の命によって半島先端部に建てられたものだ。

それでは入口である挨拶の門をくぐり、第二中庭へ。

第二中庭にある幸福の門

第二中庭と第三中庭を隔てる幸福の門にあるこれは「謁見の間」。名前の通り、スルタンが帝国高官や外国要人と面会する場だ。

いかにも偉い人が座りそうなソファ(?)が置いてある。

他にもイスラム様式らしいドーム建築とカリグラフィーが描かれた銘板に惹かれる。やはりイスラム圏の建築は美しい。

宝物庫

続いて第三中庭に出て宝物庫へ。

このエリアは「内庭」とも呼ばれ、スルタンが私生活を送った場でもある。

トプカプの短剣

宝物庫にはオスマン帝国の財宝が集められており、宝石に彩られた品々を鑑賞することができる。

宝物にはエメラルドが使われているものが特に目立つが、これは緑色がイスラム教では神聖な色とされているためだそう。

こんなに巨大なエメラルド、きっと価格にしたらとんでもない額になるんだろうなあ、なんて思ったり。

離れ

宝物庫の次は金角湾を見渡せる宮殿のテラスにやってきた。

テラスまではタイルに彩られた美しい外壁が目を楽しませてくれる。

これはイズニックタイルと呼ばれるタイル。名前の通り、イスタンブール近郊のイズニックという街で生産されていたことが名前の由来だ。

勿論、このタイルはここだけではなくトルコ国内に数多く存在する数々のイスラーム建築の装飾に使われている。

こちらはムラト4世(在位1623~40)がバグダートを陥落させた記念に建立されたバーダット・キョシュシュ。

この建物の横から望む金角湾と旧市街の景色は格別だ。

先ほどのイズニックタイルが使われている建物を望む。モスクに見られるミナレット(尖塔)がここでも三方に伸びていた。

こちらは新市街の方。右奥に見える高層ビル群が目を引く。

最後に第四中庭の隅っこにあるキョシュシュを訪問。これまでの建物と比べると、イスラム色が抑えられた、やけに西洋的な内装になっている。

結局2~3時間ぐらいいただろうか、忘れずにオーディオガイドを返却し、パスポートを回収。トプカプ宮殿を後にした。

金角湾の景色やオスマン帝国の栄華を誇る貴金属の数々、美しいイスラム建築など様々な見どころがあったが、7,200円払う価値があるかと言われれば、少し首を傾げてしまう。歴史好きで、特にオスマン帝国史が大好きでかなり勉強している!という方は楽しめるかもしれないが、旅行のために付け焼刃で勉強した私のような浅い人間にはイマイチな観光地だった。まあ、それでもそこそこ楽しめたが。

さらに、ハレム(ハーレム)という幼年の王子や王女、その世話をする宦官とスルタンのみが立ち入ることができた所も見学できるのだが、入場には別に500TL≒2,500円かかったのでやめた。

つまり、トプカプ宮殿をフルで見学するには2,500TL=9,600円必要ということになる。

お金に余裕がある人は行ってみると良いだろう。大学生の金銭感覚に毛が生えた程度の自分では、流石に高く感じてしまったというお話でした。

世界遺産・アヤソフィア

さて、トプカプ宮殿やアヤソフィアといったイスタンブールを代表する観光地は、このスルタンアフメット地区に集中しており、効率的に回ることができる。

アヤソフィアもこの宮殿から歩いてすぐだ。

真っ暗になっているが、これはアヤソフィアを出た後に撮影したため。

これがアヤソフィア。これまで見てきたどんなイスラーム建築とも異なる外観を持つ。これは元々、東ローマ(ビザンツ)帝国のキリスト教教会として建てられたという経緯を持つからだ。

アヤソフィアの歴史

325年、コンスタンティヌス1世の命で建築が始められたこのハギア=ソフィア大聖堂とも呼ばれる建造物は、360年に35年の歳月を経て完成したもの。

その後メフメト2世のコンスタンティノポリス陥落によってイスラム様式のモスクに魔改造され、約500年の間モスクとして機能したが、アタテュルクはトルコ共和国成立に当たり、これを「宗教的意味を持たない、世俗的な博物館にする」と宣言。ここでアヤソフィアはモスクとしての役割は終えた…かに思われた。

2020年。エルドアン大統領は再びアヤソフィアをモスクとして使用すると宣言。礼拝もここで再び行われるようになり、キリスト教会時代に描かれた宗教画は布で覆われた。

そんな時代に翻弄され、数奇な運命を辿ってきたアヤソフィア。そして私が訪れた2024年1月にも衝撃的な発表がなされた。

それは、観光客には別途25€4,200円の入場料を課し、2階部分のみの見学とすること。つまり、1階はモスク、2階は博物館という中途半端な形となった。

この日は1月6日。入場有料化は1月16日からということで、本当にギリギリの訪問となった。

トプカプ宮殿の入場券も合わさったセットで1,500TL≒7,200円という情報も見かけた。

最新情報については各自で入手されたい。

内部へ

トルコの著名な観光地はどこでもそうだが、入る前にセキュリティチェックがある。それも大行列だった。

上がる前には靴を脱いで靴箱へ。

入って上を見上げると、これまで入ったモスクとは一線を画す規模の大ドームが覆いかぶさっていた。当時の建築技術で崩落しないのは凄いものだ…と思っていたが、調べると地震による亀裂で一度崩壊しているらしい。そらそうか。

なお、キリスト教時代の宗教画は先に述べたように白い布で覆われて隠されている(写真中央下)。

シャンデリアに照らされた下層部と、ドーム上方に照明がないことによる明暗のコントラストがなんとも美しい。

この円盤には、左から第3代カリフ・ウスマーン、シーア派第2代イマーム・ハサン、シーア派第3代イマーム・フセイン、そして第4代カリフのアリーの名がカリグラフィーで刻まれている。

「カリフ」とはムハンマドの後継者のことで、「イマーム」とはシーア派の最高指導者のことだ(厳密には違うだろうが)。

この幻想的な空間に、しばしの間酔いしれる。隅っこの方で地べたに座り、ボーっと上を眺めていると、どこか心穏やかな気持ちになる。

しかし、観光客が1階に入れなくなったのは本当に残念だ。

「イスラム建築のドームは宇宙を表現している」とは、トプカプ宮殿の音声オーディオガイドで聞いたものだが、確かにそのように思える。

そして19時を少し過ぎた頃、「礼拝の時間なので観光客は出るように」と促された。そう、ここは博物館ではなく、現役の宗教施設なのだ。

名残惜しい気持ちを胸に、アヤソフィアを後にした。また行きたいと思いつつも、25€は高すぎるなあ…

帰りがけにブルーモスクの裏にあるオベリスクを通りかかったので1枚。

何を意味しているかは分からなかったが、幅の広い歩道のど真ん中にライトアップされていたので思わず立ち止まってしまった。

色々あった11日間の旅行も、明日で終わり。異国の地で過ごす最後の夜を噛み締めながら就寝した。

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