路面電車、またの名をトラム。この乗り物には不思議な魅力がある。
都市の中をちょこまかと走り回る、1両ないし短編成の列車。私は香港でこの乗り物にすっかり魅了されてしまった。
今回はそんな香港トラムの私的備忘録を兼ね、撮影地を振り返っていきます。
カメラ初心者なので、写真のクオリティは期待しないでください。
香港トラムとは
香港島北岸の東端・堅尼地城(Kennedy Town)から中環(Central)、北角(North Point)等、繁華街や人口密集地域を経由し、西の端・筲箕灣を結んでいるのがこの香港トラム。
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やはりなんといっても特徴的なのがその車体だ。
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世界広し、トラムの走る都市は数あれど、このような2階建てトラムが走っているのはほんのごくわずか。というか私は香港以外知らない。
旧英領・香港。乗り物はなんでも2階建てにするイギリスメンタリティが、トラムを2階建てたらしめる所以なのかもしれない。
そんなトラムを撮影をするため、MTRで東端の始発駅・堅尼地城へ向かった。
堅尼地城
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香港総督、アーサー・エドワード・ケネディにちなんで名づけられたこの地域。駅を出ると早速香港らしく、壁に室外機が引っ付いた高層アパートが出迎えてくれた。
そういえば、香港にはこの地域のように英語由来の呼び名がある地名と、そうでないものの2つが混在している。前者の例は銅鑼灣(Causebay Bay)、中環などで、後者は…まあ無数にある。
呼称の統一が面倒ですが、まあ一応全部併記しておこうかと思います。
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MTRの駅を降り、まっすぐ海側に下ると現れるのがトラムの堅尼地城總站。
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香港トラムは片側にしか運転台が付いていないので、起終点となる駅にはループ線が備え付けられているのだ。
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運行本数が多いため、ひっきりなしにトラムはやってくる。
30分ほど撮影し、次の場所へ向かった。
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トラムは本来一乗車$3≒60円かかるのだが、この日(2024年4月30日)はまさかのフリーライドデー。香港の人気アイドルグループのメンバーの誕生日を祝ってのようだった。
アイドルとは全く縁のないオタクだが、ありがたく乗り倒させてもらうことにする。
屈地街
少し移動して屈地街、またの名をウィッティ・ストリート(Whitty Street)。ここには昼食で目を付けていた店があったので寄りましたが、ここでもトラムを撮影。
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やはり、車体が縦長なのに加え、高層建築の多い香港ではついつい縦アングルで撮ってしまう。
お気づきだろうが、香港トラムのほぼすべての車両にはラッピングが施されている。この74号車はすっかり日本から撤退してしまったフードパンダの広告車。
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そして土鍋の炊き込みご飯である煲仔飯をかき込み、続いて上環へ向かった。
上環(西港城)
上環のターミナル駅がある辺りは、西港城(Western Market)ともよばれる。
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ちょうどウエスタン・マーケットの目の前を線路が通っているため、イギリス統治時代から残るこの建造物と香港トラムを画角に収めることができる。
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カーブに差し掛かる様子やすれ違いなどが撮れて楽しい。
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今度はウエスタン・マーケット側から駅の方を望む。古めかしい外壁のボロビルと全面ガラス張りのモダンな高層ビルの対比は、まさしく香港の風景。
また、この駅は停車時間が長く、中々トラムが出て行かなかった。
文武廟
トラム撮影をしばし中断して、散歩。
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上環の駅から山の方へ少し上がると、高層マンションに囲まれた中国様式の寺院が現れる。
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これは文武廟。1800年代中盤に建立されたもので、文字通り「文」をつかさどる文昌帝、そして「武」をつかさどる、『三国志』で有名な関羽(関帝)が祀られている。
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中に入ると、赤い札と釣り鐘型の線香が吊るされた独特な空間が広がっていた。
札には家族の名前や願いを書いて吊るすらしい。
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立ち込める線香の香りで、同じ文化圏であることを改めて実感。この匂いがするとどこか落ち着く自分は、やっぱりアジア人なんだなあ。
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そして何故か置かれている虹色に光るLED。
皆ここで購入した線香を焚きあげていたが、ただ祈っているだけの人もいたので、それに倣って自分もお参りした。
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文武廟の隣は列聖宮。
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こちらは民間信仰の神々が祀られている。こちらにも参拝し、再びトラムの線路沿いに出た。
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後編へ続く。
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