海外旅行の記事ばかり書いていたので、今回は自分の旅の原点である「駅スタンプ」を紹介しつつ、旅行記を綴ります。
一昨年に行った、福井県は越美北線のおはなし。
冬の福井県
2021年12月19日(水) 大雪の降る福井県へやってきました。
今回訪れた理由は12月20日を以って無人駅となる北陸本線・春江駅のスタンプを押印するのと、そのついでに未乗だった越美北線に乗ること。
なぜ無人化するからってだけでわざわざ行くのか?それは駅にもよりますが、駅スタンプは基本的に駅員が管理しているため、無人化となるとそれと同時に駅スタンプも撤去、お蔵入りとなる場合が非常に多いのです。
二度と押せないとなると、流石に行かなければなりません。
という訳で京都から18きっぷで普通列車を乗り継ぐこと3時間。駅前の恐竜のモニュメントと相まって氷河期と見紛う福井駅に到着。
冬の福井駅、雰囲気出ていて良い。
この日はサンドーム福井でライブイベントがあったらしく、京都からの普通列車も大混雑。途中武生で追い越していったサンダーバードの車内にも大量の立客がおり、ここ福井駅からも臨時快速が出されていました。
この電光掲示板に写る 特急「しらさぎ」や「サンダーバード」の表示ももうあと5か月で見納めになると考えると寂しい。
福井駅 スタンプ
実はここ、福井駅は「駅スタンプ発祥の地」という説があります。その地を訪れた記念にもなりますし、観光客には嬉しいサービス。当時の人はよく考えついたものです。そんな私はすっかり駅スタンプを主目的に、各地をフラフラする怪物になってしまいましたが。
福井駅のスタンプは、駅前にもモニュメントがある通り「恐竜王国の駅」。スタンプに描かれているフクイラプトル以外にもフクイサウルス等、様々な恐竜の化石が勝山市にある断層から続々発掘されるよう。
もう一つの図柄は一乗谷朝倉氏遺跡。信長に滅ぼされる1573年まで、越前国を根城に活動した戦国大名、朝倉氏の居城跡地。城下町はこの時大損害を被りましたが、現在は博物館が建ち、当時の庭園等も残されているそう。
福井駅の発車メロディ「悠久の一乗谷」はこの地をイメージして作られた楽曲。あの優美なメロディのルーツを求め、一度は行ってみたいものです。
春江駅
福井駅から10:21発の金沢行き普通列車に乗車し、北陸本線で2駅、春江駅で下車しました。
2駅とは言えど、地方の2駅。駅間距離が長いため、福井市を出て隣の坂井市へと入っています。
春江駅 スタンプ
そんな坂井市の花は「ゆり」。
福井出身の友人にこのスタンプを見せた所、「この建物なんでこんな形になってるか知ってるか?」と言われたので知らない旨を告げると、「ゆりの里公園だから、ゆりの花弁を逆さまにして被せたようなデザインになっている」と聞き、もう目から鱗。
こういった公共施設の建物一つ一つに意味があると考えると面白いですね。
他にも坂井市内を走るえちぜん鉄道の駅には、「西長田ゆりの里」という駅名もあったりします。
越美北線へ
福井市街
30分弱の滞在で春江駅を後にし、再び福井駅へ戻ってきました。
せっかく福井に来たのだからソースカツ丼でも食べようとヨーロッパ軒に足を運んだのですが、この日は大行列。諦めて適当に福井市内を散策した後、駅ナカのそば屋で昼食をとることにしました。
これは福井県庁。堀に囲まれた福井城本丸の跡地にそのまま庁舎を建てており、非常に守りが堅そうな県庁です。現代的な庁舎と相まって、形を綺麗に残す石垣も映えますね。
(魚・・・?)
という訳で福井駅に戻ったところで駅構内・改札前にある立ち食いそば屋で腹ごしらえ。
駅にあるこんな感じの立ち食いできる飲食店、好きなんですよね。名古屋駅のきしめん然り、博多駅の豚骨ラーメン然り…
越美北線へ
発車30分前ですが、すでに列車は入っていました。
福井駅のホームは切欠き構造。1・3番線の奥に3番線を削り取るような形で、越美北線用の2番線ホームを設けております。
越美北線とは?
越美北線(愛称:九頭竜線)はここ、福井駅…ではなく、北陸本線を西に1駅行った越前花堂駅を起点とし、大野市の中心部・越前大野駅を経由した後、山奥の九頭竜湖駅に至る、全長52.5㎞のローカル線。
本来は岐阜県の越美南線と繋がり、「越美線」となる予定だったものの、紆余曲折の末断念。そのまま中途半端な形で残ってしまった路線です。
冬の越美北線
越前花堂駅発車後、列車は東に大きく進路を変え、北陸本線と別れます。
この日は本当に物凄い量の雪が積もっていたものの、列車は難なく九頭竜湖へ向けて走っていた…かのように思われましたが、越前大野の2駅手前、牛ケ原でトラブル発生。
列車が発車しようと必死にディーゼルエンジンを噴かせますが、ビクとも動きません。
それもそのはず。大量の雪を車両前方に抱え込んでおりました。
運転士が線路に降り、抱え込んだ雪をスコップで線路脇へ捌けていきます。雪国の運転士は大変です。
30分ほど除雪し、無事発車。
越前大野駅に着くと、「除雪車が越前大野~九頭竜湖間を往復しているため、この除雪車が越前大野まで折り返してから発車する」旨の情報が。言わずもがな、越美北線は単線かつ越前大野~九頭竜湖間は行き違い可能な駅が存在しないのでこういったことが起こります。
10分ほどした後、戻ってきた除雪車と行き違いで発車。
列車は越前大野を過ぎると、いよいよ人口希薄な山間部へと入っていきます。車窓に広がる一面の銀世界を1両のディーゼルカーがコトコトと走る…これぞ冬のローカル線の醍醐味といえます。
終着・九頭竜湖
遅れること40分、終点の九頭竜湖に到着。
ホームから列車と線路端を。
この先、北濃駅まで繋がっていたらどうなっていたのか。きっと、芸備線の県境越え区間と肩を並べる大赤字になることは想像に難くありません。
列車は10分ほどで折り返すとのことなので、記念に入場券を買うだけで折り返しの列車に乗車。
昔は駅スタンプもあり、検索すると当時の印影が出てきますが現在は撤去され、設置されていません。
越前大野駅
乗っていた福井行きの列車ですが、この先大雪のため運転見合わせとのこと。まあ、当初の予定でも2時間待ちでしたのでのんびりしましょう。
越前大野駅 スタンプ
大野市は雲海を望める「天空の城」とも名高い「越前大野城」の城下町として栄えた街。
スタンプにもその様子が描かれており、400年以上の歴史のある朝市や、その昔、城の炊飯にも使われ、現在も環境省の「名水百選」に選出された「お清水(おしょうず)」が有名です。
ちなみに、雲海が見られるのは秋~冬の朝方のみで、滅多に見られないそう(友人談)。
当時計画していた予定では、2時間で城下町と城を見て帰ろうと思っていたのですが、今停車している列車がいつ動くかも分からない上に、後続の列車も運休…なんてことになったら目も当てられないので、駅で待機することにしました。
結局乗る予定だった列車とほぼ同じ時刻に運転を再開し、その後は予定通り列車を乗り継ぎ京都に戻ることができました。
とまあ、こんな感じで書いてみたのですが、いずれはスタンプのみを紹介したもっと分かりやすいページを作成したいなあと思います。
それでは。
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