2025年11月10日 天気:快晴 気温:12℃/7℃
この日は移動日。いよいよこの旅の目的であるユーラシア大陸へと踏み出す時が来た。
と、その前に懸案事項だった更なる米ドルを準備するため、持っていた現金4万円を明洞の両替所でウォンに替え、更にクレカのキャッシングで8万ウォン下ろし、計約12万ウォンをソウル駅前のドル両替ができる店へ持って行くと844ドルになった。これで合計1,244ドル…現金で持ち運ぶのはあまりにも怖すぎる額だが、致し方なし。
別にこの先の国でも用意はできそうだが…ある程度通貨の信用がある先進国にいるうちにやっておきたいという気持ちがあった。その前にもっと日本から持って来いよと言う話はごもっともなのだが、トルクメニスタンを陸路通過することにしたのでより必要になったからだ。

ソウル市内から仁川港へ
これで準備は整ったので仁川港へ向かう。地下鉄に乗るときに気が付いたが、T-moneyカード(韓国全土で使える交通系ICカード)をいつの間にか落としていた。カード自体が4,000ウォン、更にまだ中に4,000ウォン入っていたのに…

大人しくきっぷを購入し、気を取り直してソウルメトロ1号線でまずは港行きのバスが出る朱安駅へ。

朱安駅は終点・仁川駅の数駅手前。1号線は区間運転の列車が多く、乗った列車が朱安まで行かないことが判明し、次の駅で降りて仁川行きに乗り換え。
列車内はそこそこの混雑だったものの、ソウル郊外まで来ると空席が目立ち始めたので着席。ソウル駅からは1時間ほどかかって朱安駅に着いた。

地下街にあるロッテリアで昼食を取り、続いて駅前のバス停から13番のバスに乗り港へ向かう。T-moneyカードがあれば1,600ウォンだが、現金だと2,000ウォンだった。それでも現金を受け付けてくれるだけありがたい。

朱安駅から仁川港までは駅から更に50分かかる。街中を抜けると乗客はどんどん減っていき、最終的に自分とおじさんの2人だけになってしまった。


バスは旅客ターミナルの1階駐車場が終点。動くスロープに乗って2階のチェックインカウンターへ。
乗船まで

ここが2階。最近リニューアルされたのか、国際旅客ターミナル内は綺麗で非常に広々としていた。調べたら2020年に供用が開始されたばかりらしい。

早速「웨이하이(威海)」行きの受付カウンターでパスポートを渡す。予約画面等は特にいらないらしい。窓口の人はパスポートとパソコンの画面をまじまじと見比べ、1~2分ほどじっと待つ。…何か不備があるのかと不安にさせられる時間だったが、キーボードを打ち込んだかと思えば、直後無事にチケットが渡された。

ちなみに料金は、エコノミークラス(经济舱)の下段で500元(当時のレートで約10,750円)だった。

フェリーの出航は18:30。乗船開始は17時とのことで大人しくベンチで待つことに。
関釜フェリーの時とは違い、辺りを見回すと乗客は韓国人と中国人が大半を占め、日本人らしき人は見当たらない(体感7割ぐらい中国人)。これまで釜山やソウルの街中では日本人を見かけ、看板にも日本語が併記されている場合が多かったので、そこまでアウェー感を感じることなく旅をしていたが、ここからはいよいよ未知の領域であることを実感する。
出航
17時、受付が始まったので早速列に並ぶ。海路出国なのでやはり空港ほど厳重な手荷物検査はなく、これを抜けるとすぐに出国審査。質問は特にされることなく、あっさりと韓国を出国した。


バスを降り、乗船口でチケットをちぎられると、客室フロアまで長いエスカレーターに乗っていよいよ乗船。ここからはいよいよユーラシア大陸への第一歩・中華人民共和国へと足を踏み出すのだ!
船内

乗船口からエスカレーターで上がって来たところすぐにあるエントランスロビー。階段横の通路から客室へ向かう。

これがエコノミークラスの相部屋。関釜フェリーと同じように2段ベッドが4つ並び、1部屋に8人収容できるようになっている。ロビーもそうだが、船内は非常に綺麗。とても1997年建造とは思えないくらいだ。


船内には韓国の大手コンビニである”Nice to CU”が入っているので、韓国で余らせたウォンを消化することもできる。
クレカ払いもできるっぽいが、出航後の洋上では中々通信状況が安定しないのでおすすめしない。


という訳で早速出航後すぐの19時、残っていた現金でカムジャタン風のご飯を購入。コンビニには電子レンジや給湯器も完備されているのでありがたい。
見た目通りに辛かったが、ちゃんと美味い。韓国のコンビニ飯も侮れない。


飯を食べた後はいつも通り甲板に出てみる。すっかり日も沈み、海風を全身に浴びながら漆黒の黄海を進む様を五感で堪能するのが最高に気持ちが良い。この日はグッと冷え込んだ日だったので、かなり寒かったが…
ただ、やはり空の旅では味わうことのできない旅情を感じるべく、ロンドンまで空路縛りで行くことを選んだのだから、この感覚はこれからも大切にしたい。

例によって客室では電波の繋がりが悪いので、エントランスでテレビでも見ることに。当時は台湾有事に関する高市首相の発言に対して、中国駐大阪総領事の薛剣氏がTwitter上で「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟はできているのか」と投稿したことでネットは大炎上し、日中関係も冷え込んでいた時期。
韓国のニュースでもしっかりと取り上げられていた(そういえばすっかり落ち着いたな)。


続いて流れてきたのは、韓国のプロeスポーツチーム”T1″がLol(リーグ・オブ・レジェンド)の世界大会で史上初の3連覇を成し遂げたニュース。
ネットではよく「Lolは韓国の国技・義務教育」なんて冗談っぽく言われるが、8時のニュース番組で目にすると「マジで国技じゃん…」と思わされてしまう。日本ではまだまだeスポーツって浸透してないよなあ、なんて思ったり。
その後はグルメ番組が始まり、ナレーターの言ってることはさっぱりだったが、内容が飲食店の特集だったので普通に楽しめた。
さて、明日朝には中国に着く。「中国」と聞くと少し身構えてしまったり、否定的な感情を抱いたりする人が多いかもしれない。自分だってそうだ。だって、VPNを通さなければインスタやTwitter、Googleといった西側世界が提供するコンテンツにアクセスできないのだから、そりゃ怪しさ満点な国だとは思う。
しかし、実際にこの目で見て見なければ実情はわからない。日本に来るほんの一部の中国人観光客だけ見てヘイトを溜めている日本人をよく見かけるが、それは良くないことだ。
韓国まではほんの序章で、チュートリアルに過ぎない。これから国も文化も言語も食事もめくるめく変わっていく。そして、威海まで渡れば最終目的地・ロンドンまではいよいよ陸路で繋がる。
本番はここからだ。


